XJ750E との別れ



29 歳で限定解除してから 50 歳になるまで乗り続けた XJ 750E を乗り換えることにしました。理由は経済性です。32 歳で結婚してからは、
乗る機会が極端に減りました。また、30 代の土日の半分は休日出勤をしていたので、なおさら乗る機会が減りました。さらに 40 歳で子供が
生まれると、ほとんど乗れなくなりました。

それでも、維持し続けたのは精神安定剤の役目です。乗る時間はなくとも、バイクを持っているという事実が大切でした。実際に乗るのは、
月に 1 回、しかも早朝に出発して、10 時頃帰ってくる 100 キロぐらいの散歩だったので、40 歳以降の車検では、前回の車検から 2000 キロも
走っていない状態で次の車検を迎えていました。

ここ数年、近所のヤマハ専門店に車検をお願いして以降、好調を維持していました。でも、来年にはまた車検がやってきます。クルマと同じ
1982 年式なので、もう 30 年選手です。今までは最低限の整備で車検を通してきたものの、エンジン回りの修理をすれば、たちどころに高額の
修理となるのは必定です。年に数回しか乗らないバイクにかける費用としては、厳しくなってきていました。バイクだけではなく、クルマも費用が
嵩む旧式車であることも災いしています。

それに加え、今年の初頭に林道を走っていた際、ゲートのすり抜けに失敗して、抜けるのに難儀したことも、乗り換えを決めた一因です。
走っている際に車重の重さを感じることはありませんでしたが、エンジンが止まった状態で 200 キロ超の車体を操るのは、私の体格では無理が
ありました。幸い、この時は一人で何とか対処できたものの、また同じようなことが起きる可能性があります。一人で対処できないようなバイクに
乗ってちゃいけないと強く感じました。

XJ の前に乗っていた XL は、日本中を 68000 キロ走り、ツーリングの思い出ばかりです。それに引き換え、XJ は所有していた期間こそ 21 年と
XL より長いものの、走った距離は 18000 キロと三分の一以下です。おまけに、仕事の高ストレスにさらされていた期間と重なっているので、必ずしも
楽しい気持ちで乗れたわけでもありませんし、遠乗りもあまりできませんでした。それでも、クルマよりも、カミさんよりも付き合いの長い、最古参の
道具でした。また、苦しい時に息を抜かせてくれただけに、寂しさもひときわです。

でも、乗り換えは自分で決めたことなのでしょうがありません。
(2012 年 7 月に書いたものを 2016 年 8 月 15 日にアップ)