ハザード・スイッチについて(その2)


ハザード・スイッチに関するまとめを、自分のメモも兼ねてアップします。

1 スイッチのしくみ
故障を知る前にスイッチの仕組みを説明します。スイッチは、赤い部分がついた移動体、上のカバー、下のカバー、バネの 4 つから
構成されています (図 1)。


図 1(海外のサイトから借用しました)

移動体には、ばねの力で常に飛び出る方向に力が加わっています。移動体には迷路のような溝がきってあり (図 2)、本体から出ている
薄く細い金属の先端に付いたボールがこの溝に沿うことによって、移動体は一定の動きしかできないようになっています。


図 2

押されると、土手にひっかかっていたボールがずれて、移動体が飛び出します。逆に、飛び出した状態で押されると迷路の中を進んで
土手にひっかかって止まります。

2 故障の原因
スイッチがバカになる原因は以下の 2 つです。
 (1) ボールを止めていた土手の部分が浅くなり、ボールが止まらなくなる。
 (2) 薄く細い金属が反ってしまい、土手を乗り越えてしまう。

3 修理時の考慮事項
ハザード・スイッチの故障で厄介なのは、ハザード・スイッチがハザードのオン/オフを切り替えているだけではなく、他のスイッチの
中継もしていることです。単に切り替えを行っているだけなら、スイッチ自体を外してしまえば問題は解決です。ハザードが使えない
という問題は残りますが、バッテリーが上がるのに比べれば大した問題じゃありません。

4 スイッチのバラし方
修理する前に、まずバラす必要があります。継ぎ目にはすき間がほとんどありませんから、薄いものを差し込んでこじってあける
必要があります。私は \100 均一ショップで買った精密機械用のドライバー・セットを使用しました (図 3)。


図 3

5 修理方法
上記を踏まえた修理方法をピンからキリまで挙げます。
 (1) スイッチを交換する。これが正攻法です。ただねえ、毎回 \6000 くらいかかることと、寿命が読めないことがネックです。
   私の経験した故障頻度を見ていただくと、新品に換えたからといって何年も安心できないことがお分かりいただけると思います。
 (2) スイッチを修理する。
  @ 土手を深くする
    ボールを止めている土手が浅くなってしまっているので、その土手を深くしてやればいいわけです。だが、しかーし、言うは簡単、
   やるは難しです。私もトライしたものの、もともとの土手が浅い上、作業する箇所、対象がミリ単位の場所なのでうまくいき
   ませんでした。聞いた話ではやすりで削るかハンダなどの熱で溶かすといいようです。
  A 金属板の反りを戻す
    金属が反っているなら元に戻してやればいいわけです。だが、しかーし、これも簡単ではありません。金属板と書いていますが、
    実際は金属を削りだしたようなしっかりした部品です。おお、さすが BOSCH なんて感心している場合ではありません。そんな簡単に
    まがるような代物ではないからです。
    やってみると、先端だけではなく、根元から曲がってしまいそうだったため、あきらめました。海外のサイトを見ると、
    ペンチを 2 本使って曲がらないようにしろと書いてありましたが、ラジオ・ペンチの先端が 2 本も入るようなスペースはありません。
    また、万力を使って、金属板自体が曲がらないようにしろという記述も見かけました。金属板自体を外すってこと?
 (3) スイッチを自作する
   スイッチを新品にしても、時限爆弾を抱えていることには変わりません。そのため、電気に詳しい方は配線図を見て、
   スイッチを自作するようです。私にはできません。
 (4) ハザードの機能をあきらめる
    これは消極的な対処方法です。ハザードは使えなくなってもいいから、この問題から根本的に逃れたいという考えです。
  @ ジャンパー線でハザード機能を殺す
    これは海外のサイトで見ました。これも電気に詳しい方向けです。こうすれば、中継機能は生かされるのでしょう。でも、
    間違ったところをジャンプしたら恐ろしいですね。
  A 力づくでスイッチが飛び出ないようにする
    これも海外のサイトで見ました。バンドのようなもので、スイッチを×印状に止めていました。ご丁寧にバンドの端はボルトで
    止まっていました。オーナーの「ナニガナンデモ止メテヤル」という意志を強く感じました。
  B スイッチの中のバネを外す
    スイッチはバネの力で飛び出てくるわけですから、バネを外してしまえばずっとオフ状態のままです。当初、私はボールを
    止めている土手が乗り越えられないようにプラ版を使って細工しようとしました。しかし、想定と実際の動きが異なっているらしく、
    何度やってもオフの位置で固定されません。ひょんなことから、バネを外せばよいことに気づきました。
    これで、ウィンカーやワイパーなどの電気関係が無事に動作すれば、これが最終形ですね。でも、誰もこれを試してないのが
    気になるところです。何カ問題ガアルヨウナキガシマス。

うまくいくといいなあ。(2012年7月16日)