さよなら E21

一部の方は既にお気づきだと思いますが、1994 年から 20 年間維持してきた E21 を降りることにしました。E21 は既に手もとにはなく、
新しいオーナーのもとにあります。


新しいナンバーをつけて去っていく E21

手放すことを考えると車がすねるという話をよく聞きます。幸い、最後まで E21 には礼を尽くしたので、最後の最後まで機嫌を損ねる
ことなく、快調に動いてくれました。

手放した当初は、ショックのあまりホームページも更新できませんでしたが、一か月を経過してようやく更新できる心境になりました。
降りることにした経緯や、20 年の振り返りを簡単にしてみたいと思います。

降りることにした理由は主に下記の 3 つです。決して E21 が嫌になったわけではありません。

1. E21 が分不相応になった
2. 地方への移転を考慮
3. 子供の車酔い

1. E21 が分不相応になった
E21 の場合、人気の有無はともかくも、クラシック・カーに片足を突っ込んでいるように思います。滅多に実車を見ることはなくなり、
見かけたとしてもピカピカの車だけです。私のように雨ざらしで保管しているような車はありません。私は E21 が好きですけれど、塗装が
色あせたような状態でこのまま乗り続けるのは心苦しく感じてきていました。年数が経過しているうちに、分不相応に感じ出したのです。

2. 地方への移転を考慮
カミさんの両親がそろそろ老齢になってきたため、今後のことを考えてその町に引っ越すことを検討しています。そうなると、故障しない
ような車が必要になります。その町に E21 を見てくれるような工場があればよいのですが、東京に比べると外車を見かけること自体が
少ない町なので望み薄です。腕のよい工場がない状態で旧車をファースト・カーとして維持することは困難です。

3. 子供の車酔い
車酔いすることが原因でウチの子が E21 に乗りたがらないのは何度か書いています。ところが、E21 の修理の際に代車でゴルフ 4 を
貸していただいたところ、真夏なのにゴルフ 4 では車酔いしませんでした。子供いわく、E21 の匂いとクーラーが効かないのがつらいと
言います。子供と一緒に車で出かけられるのは高校卒業までと仮定すると、残された時間はせいぜい 6 年です。E21 にこだわれば
こだわるほど、その期間が減ってしまいます。

しばらく前から 1 は薄々感じていました。そこに 3 がダメ押しをして発作的に降りることを決めたというところです。


買い替えの張本人と次の車

1 について補足させていただくと、車の車齢とともにオーナーの層が変わっていくということを、この 20 年間で見聞しており、
私は E21 に不適格だと強く思うようになりました。

BMW のような車の場合、製造年から年月が経過するにつれ、オーナーの層が変わってきます。新車の頃は、それなりの方が
購入します。それが 10 年ほど経過すると中古市場に出回り、新車では買えなかった層が購入するようになります (私はこの口です)。
購入は容易だとしても、維持費は新車当時よりもかかるようになるので、年数を経過するに従って、オーナーの力が尽きると廃車されて
いきます。

M シリーズやアルピナのようなプレミア・カーは、市場価値がまだあるので、高値を維持したまま、再販されます。それ以外の一部の
幸運な車は、この時代を生き残って、クラシック・カーと化していきます。クラシック・カーの頃になると、セカンド・カー、サード・カーの
扱いになるので、オーナーはそれなりの方に戻ります。

E21 をお譲りした新しいオーナーの方は、E21 の限定車に深い思い入れがある方でした。しかも、コレクターとお見受けしたので、
E21 も生きながらえることでしょう。何はともあれ、私のところで乗りつぶさずに、本当にあの車を欲しがっていた方にお譲りできたのは
何よりです。

(2014 年 10 月 13 日)